その光を、追いかけて。




もちろん、光ちゃんのことがあるし、できないことはたくさんあるよ。



だけど、楽しいことが待ってる季節。

それだけで、わくわくそわそわしちゃうんだ。



それに、なにより……、



「夏休みになったら、学校があった時より、たくさん光ちゃんに会いに来れるよ!」



これが、1番の楽しみなんだ。



仁葉ももう6年生なんだし、病院にくらいひとりで行かせてくれたらもっと楽なのになぁ。

そう思いながらもやっぱり嬉しくて。



にこにこ、ふわふわ。

幸せで胸がいっぱいなんだ。



「仁葉、そのことなんだけどね……」

「え、なぁに?」










「もう、ここには来ないで欲しいんだ」










いつもと変わらない表情でそう告げた光ちゃんに、仁葉は声を失った。






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