その光を、追いかけて。




「いつも僕のそばにいて、大好きだって言ってくれてありがとう。
……傷つけて、ごめんね」

「悪いと思ってるなら、離れていかないでよぉ……」

「うーん、でも仁葉は大きくなって、強くなっちゃったからなぁ。傷だらけでも歩けると思うんだ」



そんなことない。

仁葉はいつまでも甘ったれで、弱虫で、しょっちゅう泣いてるよ。



もう泣かないって約束したばっかりなのに、ほら。

今ももう泣きそうなの。



「苦しくっても生きてたらね、悲しいこともいつか愛しくなるんだよ」

「愛しく……」

「仁葉にはちょっと難しいかなー」



そんなことない。

仁葉が光ちゃんに抱く感情。

きっとそれには〝愛しい〟って気持ちも含まれている。






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