その光を、追いかけて。
*
大きく息を吸って、吐いて。
深呼吸をしたら、職員室に入る。
「失礼します。鈴宮です」
「ああ、転校生の。
ちょっと待ってて。
今、担任の先生を呼ぶから」
見知らぬ先生にそう対応されて、こくんとひとつ頷く。
その先生が席を立ったことでふぅ、と息を吐く。
視線を下げると、そこにはのりでパリッと乾いた膝丈のスカート。
紺のハイソックスに、デザインが今までとは違う上履き。
そして指定のカーディガンを羽織った仁葉はセーラー服姿で。
……そう。
今日はとうとう、中学校の入学式。
────本当だったら、光ちゃんと付き合うことになるはずだった日がきたの。