その光を、追いかけて。




「鈴宮さん、はいお待たせ」



この前挨拶しに来た時と同じ、ふっくらとした優しげな女の先生。

職員室の奥からやって来た先生がふふと笑う。



「鈴宮さんは、1年3組ね。
4階の奥から3番目なんだけど……場所はわかる?」

「わかります、けど」

「じゃあ行っておいてね。
座席表は黒板に貼ってあるから」



……え?



「転校生の挨拶とか、ないんですか?」

「中学は小学校と違って、学年の入れ替わりの時はないの」



そういうものなんだ。

……なんだぁ。



緊張してたから、肩透かし感がすごい。



1年生だからきっとすぐ慣れるわ、との先生の言葉に頷いて職員室を出た。






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