その光を、追いかけて。




ピンポーン。



インターホンを押して、中から人が出てくるのを待つ。

どこの家も同じ音をしているんだなぁ、なんて少し場違いことを頭に思い浮かべた。



その時。

ガチャリ、と扉が開いて、



「いらっしゃい!
輝くん、梓ちゃん!」



にっこり笑う仁葉が顔を出した。






「仁葉ー!久しぶりねー!」

「わー!」



声を発する隙さえ与えられず、梓が仁葉に飛びついた。



「この前、仁葉が光さんに会うって話をした以来なのよ⁈
さみしくて仕方がなかったの!」

「えへへ。
仁葉も梓ちゃんに会えなくてさみしかったよー」

「うふふ、よかった。同じね!」



いつもどおりのテンションMAXなふたりのやりとりを流し聞き。

毎度毎度よく飽きないよな。



どこのバカップルだ、って言いたくなる。






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