その光を、追いかけて。




「よーし!
じゃあ仁葉の部屋でお願いします。
紅茶持って行くから先に入っててね」

「はーい」



梓がにこにこと返事を返して階段を上っていく。

そういえば、こいつは来たことあるって電車で言ってたな。



階段に足をかけたところで、仁葉があ、と思い出したと言わんばかりに俺に声をかける。



「輝くん」

「ん?」

「輝くんも、久しぶり。
仁葉、輝くんとも会えなくてさみしかったよー」



その言葉に、思わず頬に朱が走る。



「な、にを言って……」

「えー、だって梓ちゃんにしか言わなかったから! 今日は課題、お願いしまーす」



笑って、さらりとそんなことを言って……。



無自覚すぎる、と顔をしかめながら、小さく頷いて背を向けた。






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