その光を、追いかけて。
「仁葉ー!
あたしたち今年も同じクラスだったわよー!」
そう言って、友だちの河内 梓(かわち あずさ)ちゃんが仁葉にぴょんと飛びついた。
薄いグレーのプリーツスカートがひらりと揺れる。
「わ、梓ちゃん危ないよーっ」
「ごめーん。
だって、仁葉と同じクラスになれるか不安だったんだもの」
「仁葉は一緒になれる気がしてたよ!」
「やだもう運命みたいね」
ふふっと笑っている梓ちゃんに仁葉も笑顔を返す。
綺麗なミルクティー色のショートヘア。
アーモンド型の瞳。
モデルさんになれそうな体型。
黄色のシャツにオフホワイトのカーディガン、と膨張色の制服も着こなして。
仁葉と違って赤のリボンじゃなくて男子と同じネクタイ、もしくはなにも着けていないのも似合ってるんだ。
勉強もなんでも出来る完璧な美女。
それが、梓ちゃんなの。
童顔だし、胸もなく身長も低い幼児体型の仁葉とは全然違う。
仁葉が幼く見えるのは、癖の強い髪をツインテールにしてるのもあるのかな。
「プードルみたいで可愛い!」と梓ちゃんが喜んでくれるからこの髪型だけど、大人っぽくなりたかったら止めなきゃね。