その光を、追いかけて。




「はーい、じゃあ輝くんには初公開。
ここが仁葉の部屋だよー」



ガチャリと開いた扉の向こうにはイメージどおりの女子って感じ部屋が広がっていた。



ピンクを基調とした部屋はレースのカーテンが揺れている。

全体的にキラキラとした雰囲気で、甘い。



机の上には今日する予定の残りの課題、それから革張りのような装丁が綺麗な本なんかが置いてある。

ひとつひとつの小物やぬいぐるみが仁葉らしい。



「今、小さいテーブル出すね」

「いい。俺がする」



がしゃん、と組み立て式のそれを設置する。

課題を出して、ポットの紅茶をカップに注いで。



「それじゃあ始めましょう。
新学期に間に合わせるわよ!」



夏休みは、あと3日。






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