その光を、追いかけて。
「んー、そういえばそうだね。
また切りに行かなきゃなー」
「……その髪型、似合ってるけど」
このふたつ結びは仁葉らしくていいと思う。
「どうせ子どもっぽいとか思ってるんでしょ」
「それは、まぁ」
「輝くん、正直すぎるよ」
だってまぁ事実だし。
否定してもわざとらしいだろ。
「でも、可愛い。……と思う」
「えへへ、やったぁ!」
勇気を出して言ってみたのに、これだもんな。
褒められた、と喜ぶ仁葉の向こうに恐ろしい表情をした梓の姿。
「……仁葉の髪から手を離しなさい、虫けら男」
冷め切った瞳に素直に従うことを選ぶ。
仁葉自身はふわふわとしているのに、ボディガードが強すぎる。
「課題。進めるわよ」
「はーい」
能天気な仁葉が羨ましい、と思いつつも俺はシャーペンを手に取った。