その光を、追いかけて。
*
「お、……」
仁葉があごを引いて、小さくうめき始める。
「っ、お……」
どうした? と声をかけようとしたところで、仁葉が腕を伸ばし切る。
「終わったーっ!」
顔を上げた仁葉の、その晴々とした表情に肩の力を抜く。
どうやら課題が終わったらしい。
なんだかんだで質問しながらも自分で全部解いたし、時間がかかっててもまぁいいんじゃないかな。
世の中には写すだけのやつもいるくらいだし。
「ふたりは終わってたのに、仁葉に付き合わせちゃってごめんねーっ」
「いいよ、大丈夫」
「問題集を新学期の分まで進められたし、逆によかったかもしれないわ」
ううう、ありがとう……! と仁葉が瞳をきらきらとさせている。