その光を、追いかけて。
「結局なんだかんだでギリギリになっちゃってすごく焦ったよー」
「でも去年よりはましよね」
「去年がやばすぎたってこともあるけどね……」
俺の知らないふたりの思い出。
ただ、ふーん、と相槌を打つ。
去年はどうやら、よほど大変だったらしい。
ふたりともが遠い目をしていて、どこか怖い。
「そんなに?」
「最終日は梓ちゃんのおうちに泊まりこみでした」
うーん、……結構大変だよな、それ。
人の家に泊まるってそんなにしないし。
本当にギリギリだったんだな。
「でも、今年はなんとか終わったよ。
輝くんと梓ちゃんのおかげ!」
本当にありがとう、と笑う仁葉にどういたしまして、と返した。