その光を、追いかけて。
互いのため息が区切りとなって、話がころっと変わる。
今の今まであった重い雰囲気をなくすように、トーンを上げてくる。
「そういえば、仁葉の数学の課題って正答率どれくらいなのかしら」
言われてみれば、確かに知らないな。
前回の勉強会で少しした程度で、残りは今日までに終わらせていた。
俺たちがいなかったのに、自分で正解を導き出せていたとは思えない。
「机の上にノートがあるんじゃねぇ?」
立ち上がり、ノートや教科書の山を確認していく。
その時、バサバサッと何冊か落ちてしまった。
「あんた、仁葉のものを落とすなんて死ぬ覚悟はできてるんでしょうね」
「なんでそんな簡単に殺そうとしてくるんだよ」