その光を、追いかけて。




ふたりで拾っていると、



「『仁葉は中学生も終えて、2年目の高校生活に突入しようとしているんだ』……?」



梓がなにかよくわからない言葉を口にした。



「なに言ってんの?」

「ここに、書いてあるのよ」



革張りのようなデザインのそれは、部屋に入って来た時には机に乗っていたはずだ。



『仁葉は相変わらず間違えてばかりです』

『仁葉は守られてばっかりで、光ちゃんみたいにできないよ』

『不安ごとどうか、抱き締めて』

『弱い仁葉でごめん』



「これは、……日記?」



ページの左上に記されてある日付は毎日ではないけど、こまめに書いてあるみたいだ。



しかも、日記の間には光さんからの手紙が挟んであった。



紙が少し黄ばんでいて、古そうだ。

一体いつもらったんだろう。






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