その光を、追いかけて。
「仁葉、よかったわね」
「うん!」
頭を撫でて労ってくれる梓ちゃん。
そばで見守ってくれていた彼女にぱっと笑顔を向ける。
「でも、やっぱりあの態度は嫌いよ。
仁葉に対してあんな風で……。
あいつ、次に同じようなことしたらただじゃおかないから」
梓ちゃん……。
仁葉のこと、気にしてくれてるのは嬉しいけど、やっぱりすごい発言だよ。
坂元くんの机を睨みつけている表情は震え上がりそうなくらい怖い。
仁葉は坂元くんが怒ったのは当然だと思ってるんだよ。
だって、似てるって言葉は褒め言葉じゃないもん。
「仁葉はすぐ人の嫌がることしちゃうから、仕方がないんだよ」
「仁葉ぁ……」
わかっててしてるところもある。
だけど、傷つける気なんてないんだけどね。
泣き出しそうな梓ちゃんの表情に仁葉は眉を下げる。