その光を、追いかけて。




「ふたりとも、おまたせ!」



扉を開けて入ってきた仁葉の方をばっと見つめた。



「って、うわわ、すごいことになってる。
どうかし、た────」



梓の手の中に日記があることを確認すると声が途切れる。

しばらく俺たちの間に沈黙が落ちた。



「ふたりとも、見ちゃった?」



ゆるりと首を傾げた彼女に小さく頷き返す。



「……悪い」

「そっかぁ……」

























ばれちゃった。

























そう呟いた仁葉があまりにもいつもと変わらなくて。

俺は逆に、胸が痛んでどうしようもなかった。






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