その光を、追いかけて。
「仁葉、よかったわね。
素敵なお友だちができて、本当によかった」
ふわりと笑ったママにうん、と頷く。
心を動かすことは、こんなにも嬉しいことで。
思い出させてくれたのは梓ちゃんと、輝くん。
優しいふたりに支えられて毎日を過ごしていて。
ああ、仁葉はとってもとっても恵まれている。
……恵まれすぎている。
今もまた。
昔と変わっていない。
仁葉は成長していないね。
昔は光ちゃんに守られて。
今はふたりに頼ってばかり。
仁葉は、役立たずだ。
「仁葉?」
「っ、なぁに? ママ」
「深く考えすぎないでね。
仁葉は時たま考えすぎることがあるから」
ママは心配性だなぁ。
「忘れないで。
ママは仁葉が笑って毎日を過ごせているなら、それだけでいいの」