その光を、追いかけて。
「ふたりは、仁葉を否定するんだね」
「そういうわけじゃ、」
「光ちゃんのおかげで生きてる仁葉を否定するんだね……っ」
言葉が詰まる。
声が出ない。
悲しい、悲しい、悲しい。
ふたりのことが大切だったから苦しくて。
だからこそ、……許せなかった。
「光ちゃんとの約束がなかったら、仁葉は梓ちゃんと仲よくなろうとしなかった」
梓ちゃんが息を呑む。
「光ちゃんとの約束がなかったら、仁葉は輝くんに声をかけたりしなかった」
輝くんが瞳を揺らす。
だって、当然だよ。
昔の仁葉は泣き虫で、怖がりで。
光ちゃんが守ってくれていたから、歯を食いしばってこらえたり、頑張って笑ったり。
そんなことはできなかった。
梓ちゃんも輝くんも、出会った頃はとても怖かった。
昔の仁葉なら、距離をとっていたに違いなかったの。