その光を、追いかけて。




きゅう、と唇を噛み締める姿にため息を吐く。

仕方がない、とずりずりと日陰のスペースをわけてやる。



「ほら」

「ありがとう……」



大人しくすとん、と隣に腰を下ろした。



実は、梓とこうしてふたりで昼をとるのは初めてではない。

仁葉が俺たちを避けるから、自然とふたりともここに飯を持ってやって来るんだ。



「ねぇ」

「ん?」

「仁葉とはもうずっとこのままなのかしら」



プチトマトが箸を滑る。



「……」

「あたしは、そんなの嫌よ」

「……俺だって」



ぐさりと思い切って刺した。

口の中に放りこめば、酸っぱい味が広がる。



大切な人をもう失いたくなんかないに決まってるだろ。






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