その光を、追いかけて。
「1年の頃からずっとそばにいたの。
毎日隣にいたの」
「うん」
「光さんの話だってたくさん聞いていたのよ」
視線が下がっていく。
「なのにあたし、仁葉の本当の気持ちになんて気づいてあげられなかった……っ」
震える指先が見ていてとても痛々しい。
全身で悔しい、悲しいと物語っている。
俺の知らない仁葉を知っているからこそ、後悔することもたくさんあるんだろう。
共に過ごした時間の長さに、苦しんでいるんだ。
1年以上あったのに……と。
「だから、ね。輝」
「なに」
「お願いよ」
仁葉を、お願い。
そうすがるようにシャツを掴まれて、俺は確かに頷いた。