その光を、追いかけて。
望んでばかりだよな。
でも俺は、ひどくわがままなんだよ。
……だから。
諦めたりしない。
嫌いだと言われることを恐れたりしない。
自分を守ることを第一に考えたりしない。
もう、大切な人を傷つけるようなことはしないって決めたんだ。
光さんが大事に大事にしていた仁葉。
次に守るのは、俺の番だろ?
ぐっ、と髪をかきあげる。
傷跡を指先でなぞった。
この傷も、もう悲しいだけじゃない。
だから、きっとできる。
仁葉の光さんとの記憶を、思い出にしてみせる。
一緒に前へ進むんだ。
────癒えない傷を抱えたまま、俺たちは生きていくしかないから。