その光を、追いかけて。




新学期が始まってもうすぐ1ヶ月になる。

9月も終わりに近づいて、夏休みの頃ほど暑い日はなくなった。



「仁葉、また明日ねー」

「うん、バイバーイ!」



にっこり笑って、手を振って。

心乱されることのない日々に戻った。



輝くんと体育館裏で話をしてから、もうすぐ2週間。

あれから、全く言葉を交わしていない。



あの日のことを思い出すのは、あんまりよろしくない。



……輝くんに告白されたことを、思い出してしまうから。



強く、抱き締められた。

手加減されていない、痛いくらいの力がとても必死で。



全身で好きって言われたみたいだった。



男の子なんだなぁって思って、……すっごく恥ずかしくなったの。






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