その光を、追いかけて。
ゆらりと緩慢な仕草で、手を上げる。
そっと、そっと。
あの頃と……光ちゃんがいた頃と違う。
対して大きくなってない仁葉だけど。
男の子より変化しないけど。
だけど、もう子どもの手じゃない。
さみしい。
さみしい、さみしい、……さみしいよ。
腕を空へと伸ばして。
太陽の光を捕まえようと伸ばして。
────光ちゃんへ、手を伸ばして。
だけど届くはずもなく、ぱたりと下ろす。
そのまま顔を覆った。
「光ちゃん……っ」
泣いてなんかいない。
だけど、確かに声が震えてしまった時。
ギィ、とついさっきも聞いた音。
慌てて身を起こして振り返ったそこには、
「……輝くん」
目を見開いた、君がいた。