その光を、追いかけて。
ゆっくりと顔を上げて、目を開ける。
合わせていた手を下ろして立ち上がれば、「次はあたし」と梓ちゃんがその場にしゃがみこんだ。
その後ろにはもちろん輝くんが控えている。
10月に入り、もうすぐ光ちゃんの最初の余命の日だなぁという頃。
3人で光ちゃんのお墓参りに来ることになった。
仁葉からお願いしたわけじゃなくて、話を振ってきたのは輝くんたちから。
「俺たちも1回くらいちゃんと挨拶をしておきたい」って。
まともに来たことのなかった仁葉だけど、その言葉に背を押され。
思い切って仁葉の昔住んでいた、光ちゃんとの思い出の街にやって来て……。
光ちゃんに声をかけに来たんだ。