その光を、追いかけて。
吸いこまれるようにすとん、と眠りに落ちた坂元くん。
今度は深い眠りみたいだし、きっともうさっきみたいに辛そうな夢は見ないと思う。
シャッとカーテンを引いて、内から静かに出た。
「おまたせ。
親御さんに連絡ついたわ」
「わー、よかったー!」
「すぐ来てくれるって。
あなたも彼氏のこと、もう心配しなくて大丈夫よ」
かれ、し。
………………。
彼氏…………っ⁈
「え⁈ ち、違います!」
「あ、もしかしてまだ片思いだった?」
「それもちがーうっ」
ごほっと坂元くんの咳が耳に届く。
先生とふたり、慌てて息をひそめた。
坂元くんの方を意識して、囁くように先生と話をする。
「仁葉、坂元くんのことは心配ですけど、そんなんじゃないです。
好きな人は、別にいるし……」
「あら、そうなの? ごめんなさいね」
「こちらこそ、あの、勘違いさせちゃったみたいで……」