その光を、追いかけて。
優しい瞳を向けられて、仁葉も思わず頬を緩ませる。
えへへ、梓ちゃんの笑顔、大好き。
キィキィと、風に軋むフェンス。
髪をそっと押さえた。
「仁葉は、全体的にふわふわと適当だし、空気読めないし、最初はだいぶ面倒に思ったわ。
なんなのこいつって」
え、待って待って。
梓ちゃんってば、仁葉のことをそんな風に思ってたの?
そんな……、とショックを受ける仁葉に気づくことなく会話は続けられる。
「でもね、人間嫌いだったはずのあたしが嫌悪感を抱かない距離を保ってくれていたのよ」
梓ちゃん……。
そう感じてくれてたんだね。
仁葉はそんなつもりでしていたわけじゃなかったけど、すごく嬉しい。