その光を、追いかけて。




「あとになって、自分の行動に後悔するんだから。あんまり馬鹿なことしてんじゃないわよ、このクズ」



仁葉の頭をぽんぽんっと撫でてくれる梓ちゃんとは思えない表情と発言。

そのまま「先に戻ってるわね」と屋上から梓ちゃんは抜け出した。



バタン、と大きな音のあと、残された仁葉たちの間には沈黙。



な、なにを話したらいいのやら……。

梓ちゃんがいなくなった今、なんとも言えない空気が漂っている。



そっと坂元くんに目を向けてみると、



「っ、」



目が合った。






「……鈴宮」

「は、はいっ」

「……おはよ」

「っ、」






坂元くんとの出会いは4月。

たったの1ヶ月と少し前。



だけど、毎日欠かさず挨拶はしてきたの。



「おはよう」って。

「また明日」って。



ねぇ、今日初めて、ちゃんと君と目が合った気がするよ。



「坂元くん、っ、おはよう!」






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