その光を、追いかけて。




え、嘘。違うの?

まさかの仁葉の勘違い?



「梓ちゃんが言ったから、仁葉とお話してくれてるんじゃないの?」

「それはそうだけど、違う。
俺が、鈴宮ともう少し話してもいいなって思ったから」

「……えへへ、嬉しいな」



やだやだ、急に嬉しいこと言ってくれちゃって!

思わず頬が緩んでふにゃりと笑ってしまう。



その時、チャイムが鳴り響く。

立ち上がり、スカートをぱんっとはたいた。



「結局、丸々1時間サボっちゃったねー。
次は教室、戻る?」

「……」



だんまりを決めこむ坂元くん。

目をそらして、なにかを告げるか悩んでるみたい。



うーん、なんだろう。

言いたいこと、わかんないや。



「……ちょっと」

「え?」

「もうちょっと、残んない?」

「……!」



そんな嬉しい提案、乗らないわけない!



にっこり笑って、仁葉はまた坂元くんの隣にすとん、と腰を下ろした。






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