その光を、追いかけて。

ぱくり。

学食のおばちゃん特製のオムライスをスプーンですくい、口に運ぶ。



ケチャップライスを薄焼き卵で包むスタンダードなやつが、我が家のいつものオムライス。

だからこんなふわとろはなかなか食べる機会がないの。



んー、やっぱりこれも美味しいよね！



頬に手を当て、思わずオムライスと一緒に幸せを噛み締める。



「仁葉って本当に美味しそうに食べるわね」



見ていたら、オムライスが食べたくなっちゃった。

そう言って、梓ちゃんか肩をすくめてカレーをすくう。



「だって美味しいんだもん！」



オムライスは人を幸せにするって仁葉は本気で思ってるんだよ。



「はい、梓ちゃんにも幸せおすそ分けー」

「やだもう可愛いんだから！」



あーん、とスプーンを差し出せば、とろけそうに笑う。

そんな梓ちゃんの方が可愛いと思うんだけどね。