その光を、追いかけて。
*
教室に着いて、座席表から自分の席を探す。
仁葉の席は左の窓際2列目の前から4番目。
梓ちゃんはそのふたつ前。
「1番前じゃなくてよかったねー梓ちゃん」
「そうね。これで仁葉と前後だったら文句なしだったのに」
「まだ言ってるの?」
くすくす。
笑いながらふたりでじゃれ合う。
そして次の瞬間、視界に入ってきたものに仁葉は目を奪われた。
「……きらきらしてる」
透けるように色素の薄い髪。
金髪、だよね。
初めて見た。
髪が、窓から入る光に当たって輝いているみたい。
「ねぇ! 髪、綺麗だね!」
「ちょ、仁葉⁈」
男子だし、髪の色も色だから、関わるべからずと思っていたであろう梓ちゃんを置いて、仁葉は駆け寄る。
にっこり笑って話しかけるも、ちらりとも目を向けられない。
「春休み中にでも染めたの?
この髪色の人、仁葉、見たことないと思うんだけど」
「仁葉! なに話しかけてるの!」
「え? 雑談だよー」
「刺激しないの!」
刺激ってまたひどい言い方だなぁと苦笑しそうになった時、
「うぜぇ」
目の前の彼が言葉を発した。