その光を、追いかけて。
「あ、邪魔しちゃったよね。
ごめんなさい」
「別に平気。それより……」
じーっと顔を覗きこまれる。
な、なんだろう……。
坂元くんは、仲よくなっても基本のスタイルは変わらず、自分から積極的に話そうとはしてこない人。
だから、こんな風に見つめられることなんてなくて……。
真っ黒い、瞳。
吸い込まれそうなほどの透明感。
思わずあごを引く。
「お前ら、そっくりだな」
そう言って、彼が指差した先には、尻尾をぱたぱたと振るシュガーがいた。
「……仁葉、シュガーみたい?
まさかのプードル?」
そういえば、梓ちゃんもいつも言ってるね。
そんなに似てるのかな。
坂元くんがシュガーにそっと手を伸ばす。
ふわりふわりと頭を撫でる仕草が丁寧で、シュガーも嬉しそう。
坂元くんは動物が苦手じゃない人なんだね。
新しい君の姿だ。
いつもよりずっと優しい表情に嬉しくなる。