ライ麦畑でつかまえて
「ビートルズですね」


思わずかけた言葉に、彼女は小さく「ええ……」と言い「タイトルしか知らないんです」と、そっと付け加え、本を手にとった。


「俺も……です」

殺人犯が読んでいた本。
そんな忌まわしいことを彼女の耳に入れたくはなく、敢えて言葉を濁した。


電車のアナウンス。

電車の速度が遅くなる。


下車しなければ……此処までか……。


だが、また会える。
そんな予感がした。



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