私には、ストーカーがいる

ーー

あえて、電話を無視した。
大学に行かなきゃだけど、今日は雪降っているし、眠いだるい行きたくないこのまま死ぬ死なせてくれ明日辺りに生き返る。

となり、自堕落に布団みの虫となっていたため、目覚ましコールをあえて無視。

どれぐらい鳴るのかと思えば、やっぱり私が出るまでずっとだった。

羊さん代わりに数えてみたけど、都合二十回目。観念したかのように、スマフォは沈黙した。勝った。

「たわいない」

謎の優越感に浸りながら、眠りにつく。

目覚めると、額に冷えピタが貼ってあった。

「えぇ……」

机にはゼリーやプリン。スポーツドリンクに、風邪薬。台所には鍋に入ったおかゆ。


一時間ほど寝ている間に、誰か侵入したらしい。鍵かかっているのに。

そうして、その誰かは私の看病をしていった。謎だ。馬鹿は風邪引かないと知らないなんて、さては外国人?

「ええと、風邪じゃないです、だらけていただけです。電話出ずにすみません」


部屋で呟く。一秒で解けた頭脳は大人要らずの謎は、大変な誤解を与えてしまったらしい。

なかなか電話に出ないし、布団に丸まったままだったのがいけなかった。

素直に謝れば、スマフォが鳴る。

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