運命ひとひら
皇后杯から一ヶ月ほどたち、今日はクリスマスイブだ。
授業後
、部活は引退したので、もうない。
私は辻堂駅で友達と別れ、道場への道を歩いていた。
空を見上げてみると、曇っていて、星はみえなかった。
とても空気が乾燥していて、寒かった。
いきなり後ろから話しかけられた。
「ハンカチ落としましたよ、長田香苗さん。」
その声には聞き覚えがあった。
振り向いてみると、あの人がたっていた。
…竹内だ。
髪の毛が昔よりもだいぶみじかくなっていた。
それ以外は、昔と変わっていなかった。
高い鼻も、顎が尖ってて綺麗な輪郭、そして少し広い肩幅。
「竹内っ…。」
「よお、長田。」
涙が溢れた。
「うぅ…。」
「まあ、泣くなって。」
竹内がいままで通り軽く言う。