運命ひとひら
ーーーコツコツコツコツ
私のローファーの音。
それと同じリズムで
ーーートントントントン
スニーカーのようなおとがする。
そして人の気配がする。
さらに足を進める。
それに合わせてスニーカーの足音も早くなる。
もうやだ。
走り出そうとしたとき、ポケットから定期が落ちた。
ーーーしょうがないから拾おう。
そう思いしゃがんで定期を取ろうとしたとき。
「キャッ!」
思わず声を出してしまった。
うしろからいきなり抱きつかれたのだった。
ーーーナニコレ。気持ち悪い…。
振り払おうとしてもなかなか離れない。
誰か助けて…。