運命ひとひら




今日は部活。



団体戦のオーダーが発表された。


新しいコーチの先生が来てからは、特進だからメンバーにしないとか、贔屓がなくなった。



「今度の試合は、先鋒高濱、次鋒川原、中堅高木、副将川崎、大将長田のメンバーでいきます。」


「えっ…。」


川崎先輩が、声をもらした。


川崎先輩は、いままでずっと大将だった。


「なんで香苗なんかが…。」

そう言われ、ギリッと睨まれた。



稽古後、川崎先輩に話しかけられた。



「あとでさ、部室来てくんない?」




なにをされるんだろうか…。



「はい。わかりました。」



でも先輩の言うことはかならず聞かなければならない。





「香苗、帰ろー!」


由花がさそってくれたけど、


「ごめん、川崎先輩に呼び出されてるから…。」


「おっけ、りょ!」


そういって由花は帰ってしまった。




「失礼します。」



ドアを開けた。


そこには、3年の女子の先輩が四、五人いた。



「ちょっと、長田あんた調子乗ってんじゃないの?」


「いえ、そんなことは…」


「里香の大将、特進で練習してないくせにうばってんじゃねーよ!」

里香というのは、川崎先輩の名前だ。



練習してないわけじゃないし。

大将できなくなったの私のせいにしないでよ。



「お前、2年のくせにでしゃばってんじゃねーよ!」


そういってきたのは、団体戦のレギュラーになれなかった、藤野先輩だった。


そんなんただの負け惜しみじゃん。






「もう、出てって。」


そう言ったのは、川崎先輩だった。


「えっ、里香もういいの!?」


藤野先輩がいったら、




「いいからでてけよ!!」


川崎先輩が叫んだ。




「すみません。失礼します。」


そういって私は部室から出た。



ドアを開けて外へ出ようとした時、いきなりドアが思いっきり閉められて、 指が挟まれた。



「ったぁ…。」



「ざまあみろ。」



後ろをみると、藤野先輩がこっちをみて笑っていた。





ほんと、最低。、
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