運命ひとひら




その男の人は、こちらを向いて微笑んだ。


どこかでみたことのあるような気のした人だった。



そしてこちらにむかってくる。


「なあ、俺のこと覚えてる?今は竹内だけど、昔は河野だったよ。」



ーー河野…。



外交官で、優しくて謙虚で優しくて…。

大好きだった人…。



「あっ!思い出した!外交官で、ロシアに行ってた人!」



「あー、そーそー。正解!他には?」



ほかに何かあるかな…。


「なんかイケメンとかいってくれないの?」


河野さんって、こんなナルシストな人だったっけ?


もっと謙虚だったと思うんだけどな。


「河野さんはもっと謙虚だったはず…」



「ばーか。本当の俺はこっちだよー。」


本当はこんな男だったのか…。


素振りの姿勢を見て綺麗だと思った人は、こんなナルシストだったのか…。


めっちゃショックなんですけどぉぉぉー!?




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