運命ひとひら
絶対勝つ!
そう強い思いでのぞんだしあいだったが、そうらうまくはいかなかった。
一回戦の相手は唯心館藤沢という道場だった。
大将の私には、一勝二敗一引き分けで回ってきた。
二本勝ちしなければ勝つことはできない。
礼をして、試合開始線に蹲踞をする。
「始めっっ!」
主審の声がかかる。
「「ヤァー!」」
それと同時に私とあいての掛け声がかかる。
相手のひとは、見た感じ180cmくらいはありそうな大柄なひとだった。
その人の打ちは強くて、体当たりには勢いがあった。
鍔迫り合いでも、後ろに倒れないようにするのが精一杯だった。