運命ひとひら
いつも通り家を6時30分に出る。
中学生なのになぜこんな早いか。
学校が遠いのです…。
そして、わたしの家の方はバスの本数が少なく、家の最寄り駅までも遠い。
いつもの道。
いつもの潮風の香り。
いつもの湘南、茅ヶ崎の朝。
バスに乗って約35分。
駅に着く。
ホームで友達を待つ。
5分後くらいに友達が二人くる。
「おはよー!香苗!!」
「おはよ!皐月、由花!!」
毎朝、友達の皐月と由花と学校に行っている。
「……でさー、高浜くんがね!」
いつも通り由花ののろけ話が始まる。
高浜くんというのは由花の彼氏。
いつも通りの朝なのに、友達と話していてもどこかぼーっとしてしまう。
そして、頭の中に浮かぶのは
…………竹内のこと。
あんなサイテーナルシスト男のことをなぜこんなにも考えているのだろうか。