運命ひとひら
ーーーー試合時間は三分。
最初の一分くらいで、こんなに力の強い相手には真っ向勝負は無理だな、とさとった。
極力動かないで、相手が動いた瞬間に胴を狙おうと計画した。
残り時間が三十秒をきったくらいに、そのチャンスはきた。
相手の手元が上がる。
ーーーパァァァン!!!
その音と共に、
「胴ぉぉぉぉーーー!」
と叫んだ。
三人の審判の旗が一斉に赤に揚がる。
ーーーわたし、確か赤だったよね???
「胴ありっっ!」
主審がそういったのだった。
一本を先制することができた。
残りの時間、逃げまくってなんとか一本を守りきった。