イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―


「は……っ、ん、ぁ……っ」

座った状態からそのまま床に押し倒されて、キスしながら頭や髪を大きな手で撫でまわされる。
ただキスされてるだけなのに。
これまでにないくらい、この行為に呑まれてしまっていた。

伝わってくる風間の気持ちに気づいたから……自分の気持ちに気づいたから、余計かもしれない。

「あ……」

執拗なキスが終わって、離れた唇。
ゆっくりと目を開けると、私を見下ろす風間が見ていて。

はぁ……と余韻を逃がすように息を吐き出すと、にやりと笑みを浮かべられる。

「実莉、エロい」

自分の唇を赤い舌で舐めながら言う風間に、そっちの方がよっぽどエロいと言い返そうとして、再び唇を塞がれた。
何度も何度も角度を変えてキスされて……やっと離れた唇にぼーっとしていると、私の頬を包み込むように大きな手で触れた風間がじっと見つめた。

「俺に触られると、自分の気持ちが分かるんだろ?」

「え?」と聞き返すよりも先に「協力してやる」と言われ、頬に触れていた手が、大きく開いた胸元からスルリと入り込み肩に触れる。

「や……っ、風間、やめて……っ」
「なんで?」

首筋に唇を這わせながら聞く風間に、ぞくりと頭の芯が溶けかける。
なけなしの理性を頭の中から集めて止めてるのに……負けそうになる。

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