イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―
「なんでって……祥太との事だってまだちゃんとしてないのに、こんな事もう……」
「全部俺のせいでいいって言ったろ」
「そんなの……っ」
「俺のせいなんだから、俺が何しようが自由だろ」
両手を顔の横でそれぞれ床に押し付けて言う風間に……瞳の奥にある熱に。
せっかく集めた理性は音を立てて砕け散る。
その砕け散った理性すらすべて溶かすような、ゆっくりとした丁寧な行為を続けられて……風間を睨みつけた。
「この、変態……っ」
「なんだ、そんな元気なら手加減する必要もないか」
「や……ぁっ、サド……っ、変、態っ」
「サドの変態相手にこんなになってるおまえも十分変態だろ。
無理やりされてるくせに」
はぁ……って色っぽい息をつきながら妖美に笑う風間に、ああそうかってぼやけた頭で思った。
風間は、無理やり抱いてるつもりなんだ。
『俺のせいで、苦しんでんのか』
風間はさっき、そう言って悲しそうに目を細めた。
あの夜の事に責任を感じてる私を、風間は自分のせいだって思ったから、今こうして〝無理やり〟抱いて、あの夜の事さえ全部自分の責任にしようって思ってるんだ。
今、ひどい事をされれば、私は風間を最低だと思って、あの夜の罪さえ風間に押し付けるだろうって、そう考えてるのか。
そして、風間はそれを望んでるんだ。私が、苦しくないように。