イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―
その時は、ああ本当に祥太浮気したんだ……なんてショックでいっぱいで風間の質問にハッキリと返事ができなくて、そんな私を風間も問い詰めたりはしなかった。
きっと、私の気持ちを悟っての事だろう。
何も答えられない私に、「悪い。言い方がキツかった」って謝った後、ただ黙って隣にいてくれた。
そして、その浮気の事で祥太に謝られて許して……その後初めて会った時。
風間は私を見て、ツラそうに目を細めていた。
そんな瞳から目を逸らしたのは、バカな事をしてる自分を知っていたからだとずっと思ってたけど……。
もしかしたら、その時から風間の気持ちに無意識に気づいていたからなのかもしれない。
自分に向けられる真っ直ぐな眼差しが……気持ちが。
私の偽っている気持ちを見透かしている気がしたのかもしれない。
変わるハズないって思いこみから見えないふりをした、祥太への気持ちの変化を知られたくなくて。
それから四年もの間、ただ傍で傷つく事さえも受け入れて祥太と付き合う私を、風間は一体どんな思いで見てきてくれたんだろう。
どんな思いで……見つめ続けてきてくれたんだろう。
そう思うと、胸が痛んだ。
「浮気って……実莉が?」
呆然としていた祥太に聞かれて、深く頷いた。
天気のいい日曜の昼下がりの公園には人が多く、楽しそうにはしゃぐ子どもの声が色んな場所から聞こえていた。
そんな中で、ここだけが違う場所みたいに感じる。
後ろにある噴水がざぁ……という水音と共に、たまに風に乗った小さな水滴を巻き上がらせていた。
「なんで……」と聞こうとしたまま黙ってしまった祥太に、ゆっくりと口を開く。