イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―
「祥太と同じラインに立てば、祥太を許す事も当たり前だって思えるようになると思ったの。
こんなツラい思いして必死に許すんじゃなくて、もっと仕方ないって気持ちで諦められると思った。
だから、浮気したの」
私が話している間、祥太はまるで信じられないとでも言いたそうな顔して黙ってそれを聞いていた。
その表情に、私の大好きな人懐っこさは当たり前だけど見つけられなくて、目を伏せる。
「でも……そしたら、本当の自分の気持ちに気付いた」
そう呟くように言ってから、また視線を祥太に戻す。
「祥太との関係を続けるために浮気したのに……まったく逆の答えが出るなんて思ってもみなかった」
……そう。元はと言えば、浮気を繰り返す祥太を許すために、そしてこれからも関係を続けるためにした浮気だった。
それなのに、出た答えは……見つけてしまった本当の気持ちは、それとは別のモノで。
皮肉だといえばそうかもしれないなと思うと苦い苦い笑みがもれた。
「私、祥太の事がずっと好きだったの。……もちろん、今も。
中学の時からずっと片思いしてたし、これからもその気持ちは変わるわけないって勝手に思い込んでた。
だけど……私は何をされても同じ気持ちで祥太を思い続けられるほど、強くなかったみたい」
一度でも言葉を止めたらもう言えない気がして、必死に続けた。
「私が嫌だって言う事を何度も繰り返す祥太に……気持ちが変わらないわけないんだって、最近になってやっと気付いた」