イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―


「心配しなくても、祥太の分も大事にしてやる」

愛しそうに細められた瞳に……きゅうっと締め付けられた胸が切なさに悲鳴を上げた。
ゆっくりと重なる唇に、目を閉じて風間を抱き締める。

重なった想いに、風間の優しさを感じた。

私の分まで傷を負ってくれた風間の頬に、そっと手を伸ばして傷口に触れた。

「私も、大事にする」

ふっと柔らかく笑った風間に私も笑って、もう一度ぎゅっと抱き締めた。


一緒に罪を犯した共犯者だと、いつか風間は言ったけれど。
もしもこの関係が誰かから見た時、罪に映るとしても……それでも私は、風間を求めて手を伸ばすんだと思う。

例えそれが、私の罪で、例えそれが、風間の意地の悪い罠だとしても。

風間の隣にいる事が、きっと私の幸せだから。
誰にどう思われようとどうでもよかった。

自分の気持ちだけ見間違えなければそれで。












2015,3,12
END

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