イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―


「やっぱ持つ者は、彼女と友達だなー。大事にしないと」

祥太の、後悔しないというか、色んなモノを引きずらない性格は長所だとは思う。
まるで自分が浮気した事なんてさもなかったかのような振る舞いは、恐らく気を使っての事ではなく、本心からだ。

私が許した時点で、祥太にとってはもうリセットされている。
そんな事、長年の付き合いの中で分かりきっているし、気にするのは今更だと思うのに。

そういう、今まで分かりきっていた事を、最近はよく疑問に感じたりするようになったのは事実で。
色々な事が見逃してあげられなくなってるって、ここ一年くらいで痛感している。

ずっと、なんとかうまい事回してきた歯車が、多分少し回りにくくなってきている。
昨日の……風間との一回の浮気なんかでは、修復できないくらいに。

「風間付き合い悪かったの? 祥太、風間と会うのどれくらいぶり?」
「んー、二ヶ月くらいは会ってなかったと思うけど。
ああ、ほら、三人で駅前に新しくできた居酒屋行っただろ? あれが最後」


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