イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―


そんなだから、マンションのオーナーになりませんかっていう、今時まだそんな手法でくるの?!みたいな電話勧誘に引っかかりそうになったり、危うく宗教に入門させられそうになったり、いいように騙されるんだよって注意はもう何度したか分からない。

好意を持ってくれる女の子を前にすると、断れなくて、迫られるまま浮気をしちゃう事にはもう、呆れるばかりで注意もしないけど。

呆れもあるし……そこを掘り下げたりしたら、私自身が傷だらけになりそうで、そうできないっていうのもあるのかもしれない。

「それよりおまえ、そんなんで仕事はちゃんとできてんのか?」
「ああ。俺だって社会人だしな。ばっちり」
「営業だっけ。まぁ人懐っこい性格の祥太には向いてそうだな」
「まぁなー。でもノルマがどうのって上がうるさいから息が詰まるけど。
風間はいいよなー、ノルマとかないんだろ?」
「俺は整備だからな。営業にはあるけど」
「あー、それきっついな。一件の金額がデカい分」
「そっちもその分件数取らんなきゃとか色々あるだろうし、どっちも大変さは変わんねーだろ」

祥太は教科書販売の営業マンをして三年目。
風間は私と同じ自動車メーカーの支店に勤務していて、整備士として三年目だ。




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