イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―



「そう。ダメ彼氏と……あと、風間と」

古い電球を村田さんに渡して、代わりに新しい電球を受け取る。

村田さんは、祥太との付き合いを全面的に反対しているから、ふたりきりで会ったなんて言ったら逆鱗に触れそうだと思い、風間の名前を出す。
自分の彼氏とふたりきりで会うだけで会社の後輩に怒られるなんておかしいけれど、村田さんの意見が間違っていないだけに何とも言えなくて。

それに、風間がいたのは事実だし。

村田さんは、へー風間さんも一緒だったんですかーと呟いた後、こっちをじっと見てきた。

「実莉先輩と風間さんって仲いいですよね」
「んー、まぁ大学一緒だしね」
「そういうのもありますけど、風間さんって実莉先輩にだけ優しいし、多分実莉先輩って風間さんのお気に入りなんでしょうね」

優しい?と眉をしかめると、村田さんがえーと非難の声を上げる。
私が気づいていないのがおかしいとでも言いたいみたいだった。

キュッキュッキュと電球を回してはめたところで、脚立を下りる。


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