イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―


「どう見たって優しいじゃないですか」
「村田さん、私と風間が話してるところ見た事あるでしょ? 風間との会話って大体が口論状態だと思うんだけど」
「そうですけど、風間さんの憎まれ口ってなんか愛情がこもってるーって感じしますし。
ほら、ケンカップルってやつですよ」
「……そんな事ないと思うけど。
それに、風間が私に優しく見えるのは、この職場だからじゃない? 他の社員みんな男の人だし。
男性社員に優しかったらちょっと怖いでしょ」
「ああ、男同士とか本当に気持ち悪いですもんね」
「違う。そういう意味じゃない」
「えっ……もしかして実莉先輩、BLいける派ですか? だから私がこんなにアピールしてるのに靡かないとか?」
「なんかもう色々違うけど……BLって男同士でしょ? なら自分には関係ないからどうぞご自由にって思うけど」
「じゃあGLは?!」

身を乗り出すようにして聞いてきた村田さんに、ちょっとのけぞりながら答える。
GLの意味は知らないけど、BLからの会話の流れと村田さんの興奮度合を見る限り、Gはガールの略なんだろうと判断する。

「それも……自分に関係ないところでなら自由にしてもらって構わないけど」

ショックを全面に浮かべる村田さんを見ていられなくて、すすすっと目を逸らす。


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