イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―


「……んぅ…っ」

まるで漏らす吐息さえ食べられているような、そんなキスだった。
重なる舌に、ぞくりとした感覚が首のあたりから生まれて背中を走る。

「は……」

荒々しいキスなのに……そこに嫌ってほど風間の気持ちを感じて、胸がキュウっと切なく鳴く。
理由の分からない涙が目に浮かぶから、ぎゅっとそれを閉じ込めるように瞳を閉じた。

祥太とは違うキスに、まっすぐに想われてるという事を知る。

身体を這い出した風間の手に気づいて身体を引くと、すぐにお尻のあたりに机がぶつかる。
追い詰められて逃げ場をなくした私を、風間は解放する事無く、頭を抱き寄せるようにして何度も深く口づけながら、片手で身体をなでた。

「あ……っ、風、間…っ」

風間のキスと指先に、反応する脳と身体。

私だけを求めるキスに、心。
それをダメだと思いながらも嬉しく感じてしまうのは……祥太からそれを感じないからだろうか。
それとも、受け取る私側の気持ちの問題か。

風間を一度だけ受け入れてしまったあの時から消えない、風間への罪悪感。
それは……風間の気持ちをどこかで気づいていたからだ。




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