イケナイ恋事情―私の罪と彼の罠―
『風間さんが自分を好きなんじゃないかとか、風間さんの特別な優しさとか。そういうの、本当に一度も感じた事ないんですか?』
ぼんやりとしか機能しない頭に聞こえてくるのは、村田さんがいつか聞いた言葉。
こんなにも熱い、風間の気持ちを感じた事がないなんて……そんなわけないじゃない。
風間に触れられたあの時から、本当は気づいてた。
触れ合う唇から、強引だけどとても優しい指先から伝わってくる、風間の気持ちに。
風間が私を想ってくれてる事くらい、あの時から知ってる。
だから、彼を利用してしまった自分に罪悪感を感じて、だから……どうしていいのか分からなくなる。
『それでも祥太に悪いと思うなら、全部俺の責任にすればいいから』
私は、自分を祥太と同じラインに立たせるために風間を利用したのに。
こんなひどい女に、優しくしないで。